『髑髏城の七人 花』 舞台 劇団☆新感線 回る、回るよ客席回る♬ ちょっと酔いそうなの

 

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豊洲に新しくできた360度舞台で観客席が回転する劇場のこけら落とし公演。

 

劇場の様子も書こうかと思ったのだけど、場内は上演中以外も撮影禁止だったので、内部の画像は割愛。

 

ド定番の髑髏城。ベースはワカドクロ。

小栗旬が捨之介を演じて、山本耕史が蘭兵衛を演じる。極楽太夫のりょうの存在感が良かった。

捨之介は、オリジナルの古田新太も良かったが、ワカドクロ以降は、小栗旬のはまり役でキメの台詞の大見得を切る様は、なんとも貫禄の大迫力でも、観ているこっちも身体が震える快感だった。

 

アカドクロ、ワカドクロをゲキシネで観ていただけなので、生の舞台は初めて。

360度舞台が設置され、客席が回転する構造の劇場の特性を100%活用して、横と奥への広がり、水や作り込まれた重たいセットで、新感線らしいダイナミックな演技や殺陣が繰り広げられて、出し物としては充分に楽しかった。

水滴使ったスクリーンに投影されるタイトルの下に立つ小栗旬は、立体的にガツンと飛び出す髑髏城の七人の文字と融合して絵になってたな。

 

見世物としてなら、まさにいのうえ歌舞伎。しかも舞台は最先端だから、アップデートされてるから現代歌舞伎の真骨頂とも言える。

 

でも、なんか最後まで没頭できなかった。

同行者がいみじくも「やっぱり舞台は四角い方が良くない?」とポツリと言っていたが、特殊な舞台の凄さが全面に押し出され、演劇じゃなく劇場を観ている感じがどうしても頭から離れなかった。

実際に舞台は凄いんだよ。流れる水や、ウォータースクリーン、緞帳ではなくプロジェクションマッピングのスクリーンだし、花道代わりの円形の周縁通路は、演者が右へ左へ走り回るのに最適なフィールドだし、観てて飽きないのは間違いない。

客席の動きも思ったよりもスムーズで、アトラクションとしては上出来だと思う。

 

会場の機能を使い切りって演じるって事では、多分日本では新感線が一番最適な劇団だ。しかも髑髏城は最適な演目なんだけど、落ち着いて世界を満喫するにはその他の要素があまりも多すぎた。

この環境に慣れてないからかも知れないが。

 

小栗旬やりょうたちの演技は、物凄く良かっただけに残念なのが正直な感想だ。

あと劇場に合わせた演出のためなのか、前半はほぼ笑いのない展開。古田新太が一人で笑いの芝居は担って、劇団役者としてバランスを取ってた。シリアスと笑いのバランスがなんとなく前半は悪かった。

 

微妙な書き方なのは承知なのだけど、楽しくなかったかと言えば楽しかった。

世界で二番目、日本初の円形ステージ、動く客席と言う新しい劇場で、今までとは異なる観劇体験としてなら最高の体験だった。

ただアトラクションを楽しみに来てる感覚が強いので、演劇をどっぷり楽しむってのとはちょっと異なる感触だった。

 

次回は、阿部サダヲが捨之介、早乙女太一が蘭兵衛、極楽太夫を松雪泰子が演じる、『鳥バージョン』だ。

もちろん観に行く。

あのステージには慣れた。

どんなアレンジで、花バージョンとは違った舞台を繰り広げてくれるのか楽しみだ。

 

 

『髑髏城の七人』DVD

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